お墓は実家近くにあり、今は近所に住む母が掃除や管理をしてくれています。
ただ、母ももう高齢なので、墓地まで1人で車を運転することが少し心配です。
私は東京で仕事や生活基盤があるので、地元に戻る予定はありません。
お墓がある実家には新幹線で年1回ほど帰省をしていましたが、新型コロナウィルス感染症が流行ってからは、実家に帰る機会が一段と少なくなってしまいました。
お墓参りにもしばらく行けていません。
いずれ母が亡くなる時のことを思うと、今後は自分がお墓のことを面倒見なければと申し訳なく思っています。
実家の墓じまいを考えています。
墓石店に見積りをとったら50万円以上かかると言われ、すぐには費用を払えそうにありません。
いつかは墓じまいをした方がいいと考えているのですが、しばらく棚上げにするしかないのでしょうか?
あと、見積もりの金額が平均的な金額なのか検討がつかず、もっと安く墓じまいできないものかと悩んで踏ん切りがつきません。
ご相談いただきありがとうございます。
ご高齢のお母様の事を気遣われてのお悩みに、このアドバイスが少しでもお役に立てればと思います。
まず、墓じまいについての加奈子さんのお考えを、お母様に伝えられてはいかがでしょうか。
その上で、現在墓守をしてくださっているお母様のお気持ちも聞いてみてください。
長年連れ添ったパートナーであるお父様が亡くなった後、お墓参りをすることで気持ちが穏やかになるなど、お母様にとってお墓はなくてはならない拠り所なのかもしれません。
お墓を維持し続けても、墓じまいをしても、どちらにしても少なからずお金はかかります。
加奈子さんとお母様、お二人が墓じまいに向けて気持ちが整理できるようであれば、具体的な時期や費用についてご検討なさることをおすすめいたします。
墓じまいは、皆さまが思っているよりも費用がかかる場合が多いことでしょう。
ご自身ですべての費用を負担することが難しい場合は、迷わずご家族やご親戚に相談されることをおすすめします。
ご親族にご相談することで、費用の一部を援助してもらえる場合もあるでしょう。
頼れる家族や親戚が他にいるのであれば、墓じまいを考えている理由や費用について悩んでいることを相談してみましょう。
腹を割って相談されることで、いくらか費用を援助してもらえ、金銭的負担が軽くなる可能性があります。
お墓は、ご家族や親族の皆さまにとって大切なものです。
お一人だけで問題に向き合わず、誰かに相談することで解決できるかもしれません。
ご家族やご親戚からの援助が難しい場合などは、ローンを利用するという選択肢を考えてもよいでしょう。
お墓の撤去工事費用は、カードローンや銀行のフリーローンを利用できる場合があります。
また、お骨の移転先となる新しいお墓の購入や永代供養のご契約については、「メモリアルローン」の利用が可能な場合もあります。
詳しくはご相談いただければ、移転先を検討されている墓地、納骨堂、永代供養墓でメモリアルローンが利用可能かお調べいたします。
自治体によっては、墓石の撤去費用の全部もしくは一部の費用を行政が負担してくれる助成制度を利用できる場合があります。
ただし、補助金制度を実施している市区町村は全国でもごく一部のみです。
どこの自治体が墓じまいの助成制度を実施しているかを当サイトが独自調査していますので、以下の記事も参考にしてみてください。
墓じまいの補助金を地方公共団体・自治体からもらう方法まとめ。高すぎる料金はどうしたらいい?
注意点としては、墓じまいをしたら自動的に補助金が支給される訳ではなく、自治体に申請を行わなければなりません。
また、自治体ごとに条件が異なる場合もありますので事前に確認しておく必要があります。
「墓じまいをすべきか? やめるべきか?」というお悩みへの答えは、「なぜ墓じまいをしようと思ったのか?」という理由に尽きるでしょう。
墓じまいをすることで解消したい悩みが、自分や家族にとってどれほどの大きさであるのか考えてみてください。
墓じまいを検討される方の多くが、お墓が遠方でなかなかお参りに行けず「ご先祖に申し訳ない」という思いを持たれています。
更に今回のご相談者である加奈子さんは、ご高齢のお母様が車でお墓参りに行かれることもご心配されていますので、お母様がもっと身近に供養を行える方法を考えてみるのもよいでしょう。
墓じまいをしない場合、結論から言うと、お墓が無縁仏として扱われてしまう可能性があります。
墓地の管理者(住職や管理事務所)が、墓地の承継者やその親族と一定期間連絡が取れなくなってしまった場合、お墓を継ぐ人がいない無縁墓と見なされてしまいます。
現在の霊園・墓地の管理費をお支払いされることでお墓はそのまま残っていくでしょうが、ご高齢のお母様が亡くなられた後、管理費の支払いが滞ったり、管理者との連絡が取れない状況にならないよう考慮しておくのがでしょう。
墓じまいをしない場合、お墓の維持にかかる費用は年間数千円~2万円程度になります。
墓地の管理費として、毎年支払いが発生します。
また、お墓が遠方にある場合は、他にもお墓参りの帰省費用や掃除代行費用も考える必要があります。
年に1回お参りができるかどうかという遠方のお墓に対して、「維持費をこの先払いも続けるのか?」「その間お墓の掃除もままならないが、それでもよいのだろうか?」という点について考えてましょう。
墓じまいの費用は、お骨をどのように埋葬するかによって大きく変わります。
予算に収まらない場合は、墓じまいした後の供養方法を再検討してみることをおすすめします。
墓じまいに必要な費用の項目は大きくわけて以下の5つです。
皆さんが墓じまいの費用としてイメージされるのはこの項目でしょう。
お墓の解体・撤去工事にかかる費用は、平均すると20万~30万円程度と言われています。
ただし、お墓の立地条件によって見積もりは大きく変わる場合があるので注意が必要です。
お墓の撤去を検討される場合は、必ず現地で事前見積りを取ってもらう必要があります。
大きなお墓であればあるほど処分費用がかかりますし、重機が搬入できない山奥の区画の場合、工事費用が大きく膨れ上がる場合もあります。
また、寒冷地ではお骨を納めるカロートが重厚なコンクリートで造られている場合があり、工事費用が100万円~200万円以上する場合もあります。
寺院墓地を利用されている場合、墓じまいをする際にお寺から離檀料を求められる場合があります。
離檀料は受け取らないというお寺さんも最近では増えてきていますが、今まで長きに渡ってご先祖様の供養をしていただいたお礼としていくらかお包みするのがよいのではないでしょうか。
離壇料の目安は、お墓に納められているお骨の数にもよりますが一般的には3万円~20万円程度と言われています。
墓じまいした後に取り出したご先祖様のお骨を破棄することは法律上許されていないため、何らか別のかたちで供養しなくてはいけません。
樹木葬、納骨堂、永代供養墓などの埋葬方法があり、それぞれ費用が異なります。
墓じまいした後、新しいお墓を購入される場合は、これから先の供養の仕方もしっかりと考えたうえで移転先を決めていきましょう。
墓じまいをするには、自治体への申請が必要になりますが、申請に必要な書類を発行する際に数百円〜2千円程度の費用がかかる場合があります。
また、これらの手続きを司法書士に代行して任せる場合は、数万円の手数料が必要となります。
今あるお墓からお骨を取り出す際、お寺のご住職やお坊さんを呼んで、墓石の魂抜きの儀式をしていただきます。
「閉眼供養」や「性根抜き」とも言われます。
長年お骨を納めてきたお墓には、亡くなられたご先祖の念が込められていると考えられており、魂抜きを行わないままでは墓石の撤去工事を依頼しても多くの業者から断られてしまいます。
魂抜きのお布施は「お気持ち」と言われるでしょうが、一般的には3万円~5万円程度が一般的です。
墓じまいの見積金額が高いもしくは安いと感じられた場合、見積金額が妥当なのか第三者に相談することをおすすめします。
私も今まで多くのお墓じまいのご相談を受けてきた経験を踏まえて、しっかりとお話を伺った上で、見積もり金額の妥当性について確認させていただきます。
墓じまいに関して疑問や不安がございましたら、いつでもご相談ください。
墓じまいの費用についてもっと詳しく知りたい方は、「墓じまいの費用相場と平均総額を完全解説!お墓の処分・改葬・遺骨の供養にかかる料金の内訳」をご覧ください。
まずはご家族と墓じまいについてお話をされる事からスタートしてはいかがでしょうか。
「墓じまいを今すぐ行うべきか?」を判断する前に、「墓じまいをした先にどのような未来が待っているのか」ということをご家族とお話されることが大切です。
お墓にはお参りすることで心穏やかにすごせる心理的な効果もあります。
ご相談者の加奈子さんの場合、「お母様にとってお墓とはどのような存在なのか」「お母様がご存命中のに墓じまいをしてしまってよいのか?」ということを、お二人でよく話し合ってみましょう。
また、墓じまいをする場合にどの程度の費用が必要か、取り出したお骨をどのように供養するかまで考えておくとよいでしょう。
ご家族でご一緒に、どの程度の総額費用が発生するか具体的に明確にし、費用の捻出方法についても検討されることが重要です。
その際、墓じまいの一連の流れを理解している人に相談ができるとなおよいですね。
身近に相談できる方がいなければ、「終活・お墓の相談所いのり」をぜひ頼ってください。
一般社団法人 日本石材産業協会 認定のお墓ディレクター。供養のことで悩む一人ひとりと直接対話をして寄り添うために、「終活・お墓の相談所 いのり」を立ち上げ。これまでに、上場企業運営のお墓・終活サービスのカスマターサポートと法人営業を経験し、一般消費者と業者の双方への悩みや業界課題を解決するために奔走してきた。
ご相談者様のお悩み解決を一番に考え、専門家がお電話・LINE・メールなどで親身にお話しいたします。
相談は完全無料ですので、「終活・お墓の相談所 いのり」へお気軽にご連絡くださいね。
ご希望の方には、お墓・墓じまい・永代供養の見積もりもお出しいたします。
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地域の墓石撤去工事に対応している業者の紹介や、都道府県の墓じまい相場情報を解説。
どのようにご先祖様の永代供養したらいいかをアドバイスいたします。
都道府県ごとに、寺院墓地や霊園・公営墓地、永代供養先のお墓をご紹介します。
お住まいの地域で人気のお墓や、墓石の選び方、相場情報がわかります。
みんなの意見
料金第一で墓じまい業者を選んで失敗しました。
最初の見積もりよりも料金が追加請求されて腑に落ちません。工事は問題なく済んだのでよかったのですが、はじめから分かっていたら他の業者を選んだかもしれないのに。
相談者さんも、お金には余裕をもって考えておくといいと思いますよ!
投稿日:2023/5/3 投稿者:竹丸さん